令和2年2月
福岡マネジメントサービス
代表取締役 野中 和博
SDGsとはSustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略称で、2015年9月の国連サミットで採択されました。「誰一人取り残さない」「持続可能」で多様性と包括性のある社会の実現に向けた国際目標です。2030年を年限として、17の目標が決まりました。
1.貧困をなくそう
あらゆる場所であらゆる形態の貧困に終止符を打つ
2.飢餓をゼロに
飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する
3.すべての人に健康と福祉を
あらゆる年齢のすべての人の健康的な生活を確保し、福祉を推進する
4.質の高い教育をみんなに
すべての人に包摂的(※)かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
5.ジェンダー平等を実現しよう
ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る
6.安全な水とトイレを世界中に
すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する
この6つの目標を見ていると、貧困や飢餓、健康や教育、さらには安全な水など開発途上国に対する支援に見えます。
しかし実際には、日本の子どもの6人から7人に1人が貧困だと言われていたり、食料自給率が低い日本では、子供たちが暮らす将来に飢餓の可能性は0ではなく、ジェンダー平等に関しても2018年12月に世界経済フォーラムで発表された数字によると149カ国のうち110位と、とても低い数字になっていて、これらの目標は先進国である日本国内でも当てはまることだと言えます。
では次の7~12を見てみましょう。
7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに
すべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する
8.働きがいも経済成長も
すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進する
9.産業と技術革新の基盤をつくろう
強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図る
10.人や国の不平等をなくそう
国内および国家間の格差を是正する
11.住み続けられるまちづくりを
都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする
12.つくる責任 つかう責任
持続可能な消費と生産のパターンを確保する
この辺りになると、エネルギーの話、働きがいや経済成長の話も出てくれば、まちづくりの話まで出てきます。これらはまさに先進国である日本も密接に関係する目標です。
さらに、13~17を見てみましょう。
13.気候変動に具体的な対策を
気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る
14.海の豊かさを守ろう
海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する
15.陸の豊かさを守ろう
陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る
16.平和と公正をすべての人に
持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する
17.パートナーシップで目標を達成しよう
持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する
ここの辺りまで来ると、気候変動の話、海の話や陸の話まで出てくるので、開発途上国や先進国だけの話ではなく、もっと包括的な話になってきます。
SDGsが世界でこれだけの広がりを見せているのは、開発途上国だけではなく先進国も、働きがいや経済成長までも踏まえたものだからだと言えるでしょう。
SDGsは、2015年に期限を迎えた国連の「MDGsミレニアム開発目標)」を前身としています。
MDGsは開発途上国向けに設定された目標であったため、ODA(政府開発援助)の実施主体である外務省以外の政府関係機関や民間企業にとっては国外の政策的課題と認識されており、関心は薄いものでした。
これに対し、SDGsは貧困、飢餓といった開発途上国に寄った課題だけでなく、気候変動、イノベーション、働きがい等、先進国の課題も内包する広範囲な目標です。
また、SDGsはすべての人々にとって「どういう状態になっているべきか」という成果目標でもあります。つまり、SDGsは2030年の世界のあるべき未来を定義し、全世界が合意した未来像といえます。成果を達成するために、課題解決のためのソリューションの提供や実行のためのイノベーションが必要とされており、そこには大きな市場が潜在していると考えられています。
実際、2017年のダボス会議において、SDGsに関連する市場が12兆ドル、創出される雇用の規模が3億8千万人との推計が出されたことにより、経済界がSDGsにコミットする一つの契機となりました。
たとえば、SDGsの13番目のゴールである「気候変動に具体的な対策を」では、1997年に開かれた地球温暖化防止京都会議(COP3)では、先進国に対して温室効果ガス排出削減目標が設定されるとともに、他国と共同することで排出削減対策コストを抑えるための仕組み(京都メカニズム)が議論され、最終的に「京都議定書」が採択されました。
ただしその当時はまだ、気候変動対策よりも、他に優先されるもの(経済性や利便性など)があると考える人が少なくなかったようです。
ところが今は、これまでのように熱帯雨林を伐採していては、地球はダメになるのではないかと強く意識する人が増えています。
なぜこんなにゲリラ豪雨が降るのか、毎年のようにあちこちで水害が発生するのか。これまで当たり前のように存在していた地球、経済発展の舞台であるはずの地球の未来の持続可能性について、より真剣に考えるようになりました。
地球温暖化・海洋汚染・大気汚染等の環境だけでなく、貧困・飢餓・人口減少等、眼下の危機が顕在化しており、遠い将来ではなく、10年後・20年後の地球に対して、今、何らかの行動が必要とされています。
SDGsの17のゴールは、リスクを考える上でさまざまな示唆を含んでいます。例えば、ゴール8「働きがいも経済成長も」は、従業員を育てようとせず、持続可能性を無視した働き方を強要する企業、すなわちブラック企業というイメージを持たれることは、現代において大きなリスクといえます。
これからは、SDGsの逆を行くような事業活動をしていること、それを広く知られることも、大きなリスクになっていきます。
「ほかの店はみんな紙製に切り替えたのに、あの店はいつまでもプラスチックのストローを使っている」といううわさが広がれば、必ずネガティブな目で見られます。
今や企業は利益を追求するだけでなく、組織活動が社会へ与える影響に責任をもち、あらゆるステークホルダー(利害関係者:消費者、投資家等、及び社会全体)からの要求に対して適切な意思決定をする責任を指す必要があります。
企業経営の根幹において企業の自発的活動として、企業自らの永続性を実現し、また、持続可能な未来を社会とともに築いていく活動が求められます。
SDGsとは、リスクをチャンスに変えるキーワード。
従業員の襟元に17色のバッジをつけさせている企業は、そのことに気づいて、SDGsへの取り組みを積極的にアピールしているわけです
①社会貢献
今や企業は利益を追求するだけでなく、企業経営の根幹において企業の自発的活動として、企業自らの永続性を実現し、持続可能な未来を社会とともに築いていく活動が求められています。
②採用への効果
SDGsの取組みは学生の教育の一つとしても取組まれ、世間の関心は大きくなっています。
それは、将来勤めたい企業が社会的責任を果たしているのか否かというのは、今の若い世代にとって大きな関心事となっています。
③消費者からの支持
消費者は企業の活動がどういうものかをとても注目しています。
利益を得るために環境汚染をしている企業の製品は買いたくない、生産性を高めるために農薬を多く使用している食品を食べたくないといった心理は数年前から高まっており、今後も当たり前になっていきます。
④従業員のエンゲージメントを高める
企業がSDGsに取り組むと、社会からの評価が得られます。
すると、従業員には「社会にいいことをしている会社で自分は働いている」という自社への信頼感が生まれます。
自社への信頼感は個人のパフォーマンスの向上と、離職率の低下に結びつきます。
では、どうやってはじめるのか。
SDGsの17の目標を一つ一つみると、実は既に自社で取組んでいるという可能性があります。
例えば、節電です。これはSDGsの目標7の「エネルギー分野」の取組みになります。また、ペーパレス化は目標12の「つかう責任」になります。
このように、通常の会社の取組みとして行っていることも、SDGsと関連していることが実は多くあります。
ペーパーレス・カーボンニュートラルを推進しましょう。
上で述べた目標17個をすべて完璧に守って活動しないといけないわけではありません。
まずは自分のできること・興味を持っていることから始めてみるのが良いです。
国連がまとめているアクション・ガイドの中に「誰もがSDGsを取り組めるように」面白い案内があります。
これも立派な、SDGsです。必要なことは、今から行動を開始する事です。
今までと同じ行動をしていては、地球が持たないことは誰もが知っています。
日本の人口減少は誰もが知っています。
それらに対する改善を、すべて国に任せっぱなしにしていて良いものではないことも、
うすうす誰もが知っています。
誰一人取り残される事のない持続可能な世界を作る為に
どこかの誰かは行動を起こしています。
いまからここから自分事として自分の行動を変えましょう。
一度、自社で何が出来るか、検討してみませんか?
自分の行動が変われば、地域が変わる・地球が変わる事が体感できるのが、SDGsカードゲームです。
うちの事務所でも全社員で受けてみました。
一度、SDGsカードゲーム研修を受けてみませんか?
令和2年2月3日に、事務所でSDGsカードゲーム研修を行いました。
講師は、2030SDGs公認ファシリテーターの地域おこし舎の阿部明彦代表。
SDGsでは超有名な方です。
最初にSDGsの内容や考え方の講義、ゲームの説明の後、
2030 SDGsカードゲーム開始。
開始時の、世界の状況メーターは、
経済 3
環境 3
社会 3
の普通の世界でした。
自分の時間とお金を使い、自分のプロジェクトの為にゲームをどんどんやり進めていくと、
私たちの世界は、とんでもないことになっていました。
経済だけを追求した世界。
自分ファーストの世界。
環境汚染・大気汚染は他人事。
弱肉強食の弱者切り捨ての世界になっていました。
皆がさすがにそれではマズイと思い、
情報共有、情報交換を行い、
自分の目標達成だけでなく、他人の目標達成のために協力して、
経済だけでなく、環境や社会もよくすることに力を入れると、
世界は
経済 13
環境 11
社会 13
のバランスの取れた素晴らしいものになっていきました。
最終的には、
全員、各自の目標も達成し、
誰一人取り残される事のない、持続可能な幸福な世界を作ることが出来ました。
めでたし、めでたし
その後、SDGs de 地方創生ゲーム開始
私たちの住む町は、誰もが何もしないと、毎年人口は減少し、経済は衰退し、環境も暮らしも悪化していきます。
環境や暮らしを良くしようとしても、お金がないと何もできないのは現実もゲームも同じでした。
人がいないと、お金がないと、何もできません。
とりあえず身近に出来るところから、各自自分のプロジェクトを進めます。
徐々に経済が活性するにつれ、助成金も増加し、環境整備にも力を入れられてきました。
情報を公開して、相手のニーズを聞き出し、自分のシーズを自ら声を出して伝えます。
人・もの・金・情報の共有により、各自の目標が達成され、社会が良くなっていきます。
それらを続けていくと、
全員、各自の目標も達成し、人口も増加し、経済も発展し、環境にも配慮した、誰一人取り残される事のない、持続可能な暮らしやすい地域が出来ました。
めでたし、めでたし。
令和2年10月1日、地域おこし舎の阿部明彦2030代表に、企業でSDGsに取り組み、事業創出について考える、「SDGsアウトサイドインカードゲーム、」を実施していただきました。
まず最初に、前回SDGS2030カードゲームの振り返りがありました。
「世界はつながっている」そして「私も起点」
スナック菓子が地球温暖化!?
世界が目指す目標を「見える化」し、共有することによって行動が変わる
誰一人取り残さない
今、ここで、やることがある
今、ここから、変えることができる
その後、
「SDGsを中小企業が経営に取り入れるメリット、なぜ企業にSDGが必要なのか?
どの様な可能性があるのか?」
という話がありました。
パタゴニアの例
ダコタ・アクセス・パイプラインの例
フォアキャスティングとバックキャスティング
○○の課題を、○○と○○を使って解決し、一番儲けた会社が勝ちというゲームでした。
アウトサイドインで考える
etc
そして、ゲームが開始しました。
他社の情報も取り入れ、社会・環境も確認し、
自分の周りの○○を観察し、自社の資源の○○と○○を確認し、
遠方まで出張して交渉・取引を行いました。
最後は、全員が儲かって、
・・・・・・が優勝しました!
めでたしめでたし
時間が足らずに、宿題も頂きました。
2030年、どんな地域社会を作りたいか?
自社のゴールは何か?
そこに向けて、何(プロジェクト)をやっていくか?
いろいろな気づきのあるゲームでした。
人と組織の現状という視点から振り返る、社会課題から新たな事業機会を見つける、といってもそれが得意な人もいれば苦手な人もいます。
また、新たな事業機会を形にすることに長けた組織もあれば、苦手な組織もあります。その違いがどこにあるのか、ゲーム上で感じたこと、とった行動をもとに振り返っていきます。
アウトサイドインの実現を阻害しているのは、実は自分たちの価値観や思い込みに過ぎなかった、ということもよくあります。
自社・自組織での事業創造のきっかけを掴む。
自社が保有するアセットを洗い出し、SDGsの視点と絡めて考えることで、即興的に新事業を生み出すトレーニングを行います。
同じ会社に勤めていても、多種多様な事業アイディアが生まれます。
生まれたアイディアにさらに一工夫できないか。
ゲーム中に利用したカードも用いながら考えることで発想が更に広がります。
一度、あなたも受けてみませんか?
いよいよこのままでは危ない、『地球の危機』が目前に迫ってきた?
今の世界は、子や孫の世界を犠牲にすることで成立する、借り物の繁栄する世界?
地球温暖化・海洋汚染・大気汚染等の環境だけでなく、貧困・飢餓・人口減少等、眼下の危機が顕在化しており、遠い将来ではなく、10年後・20年後の地球に対して、今、何らかの行動が必要とされている。
今までと同じ行動をしていては、地球が持たないことは誰もが知っている。それらに対する改善を、すべて国に任せっぱなしにしていて良いものではないことも、うすうす誰もが知っている。
今や企業は利益を追求するだけでなく、企業経営の根幹において企業の自発的活動として、企業自らの永続性を実現し、また、持続可能な未来を社会とともに築いていく活動が求められる。
誰一人取り残される事のない、持続可能な世界を作る為に、どこかの 誰かは 行動を起こしている。いまから ここから 自分事として 自分の行動を変える。
野中和博
①1円の過大な納付も無く、1円の過小な納付も無い租税正義を実現して、関与先と国家財政に対して責任を負い、又会計を通じ経営者に「気づき」を提供し、永続的に繁栄する強い会社を作るための支援を行う。
②「正しい会計」に基づく規律ある企業経営を促し、倒産・貧困の撲滅に努める。
宮崎 雅也
①日常生活を見直し、節水や節電を心がける。食料品廃棄をなくす。
②家事、育児を平等に分担する。
③SDGs の活動を周りの人に広める。
仲野 篤史
①物を大事に使う、食料ロスを減らす、エコバックを使う。
②視野を広げSNS等で行われるSDGs活動を支援する。
横尾 淳
①自分自身の日常生活の見直しから始め、広い視野をもって SDGs 活動を実践します。
白壁 広大
①エコバッグを持ち歩き、プラスチックゴミを減らし、海を守ります。
白木 義浩
①月一回ボランティアに行きます。
②時間がない人に時間のカードを提供します。
白山 修平
①節水とゴミの分別をしっかりする
山崎 美由紀
①「ありがとう」「おかげさま」の気持ちを忘れずに
②地元のもの、旬のものを腹八分目においしくいただきながら
③自分の言葉でSDGsの活動や考え方を発信する
白壁 真理
①資源ごみをリサイクルへ
②こどもが安全に通学できるように、自分自身も安全運転
③食べ物への感謝と、その大切さをこどもたちに伝える
小川 芙美子
①ビニール袋、プラスチック用品の使用をなくします。
②節電、節水を気にかけて生活します。
野中明美
①野菜・果物等の切りくずは土壌に戻し、生ごみを減少させます。
②全てに感謝し、これまで以上に社会に良いことを実践します。